親父の道具箱

小学校高学年の頃だったろうか。左官をしていた親父が真新しい木製の道具箱をもって帰ってきた。両手で抱えないと持てないぐらいの大きさで、持ち手はなく、上蓋の一方を斜めに差し込んでから閉じて、差し込んだ方とは逆方向に3センチほどずらすとクッっとはまる仕組みになっていた。 “親父の道具箱” の続きを読む

障害はいつもまとめてやってくる

「天災と親戚は忘れた頃にやってくる」などと申しますが、私のいる業界では、「障害はいつもまとめてやってくる」と密かにささやかれています。システムの一か所がおかしくなると、連鎖的にほかの部分もうまく機能しないってこともありますし、まったく関係ないところで同時多発的に起きることもあります。

ある朝、全く別々のシステムの別々お客さんから、システムの不具合の報告が来て、ばたばたと両方を同時に確認しながら、原因究明をしていると、 “障害はいつもまとめてやってくる” の続きを読む

私またやっちゃったぁ、と美容師

行きつけの美容院の美容師Kさん、今度は2回連続でイタリアにH田というサッカー選手のヘアスタイルストの助手として出張してきた。

1回目は成田からカメラマンと一緒に現地まで行って、何の問題もなく仕事をこなしてきたのだが、2回目はチケットの都合がつかず、経由地のヘルシンキまで一人で行くこととなった。 “私またやっちゃったぁ、と美容師” の続きを読む

オレの話をきけー、2分だけでもいいー

本人はなんでもわかっているつもりでも、まったくわかってない人っていますね。
自分は理解力があって、1聞けば10わかるって思いこんでる人もいます。

説明途中から「あ、わかりました、やっぱりね」って行ってしまうのですが、 “オレの話をきけー、2分だけでもいいー” の続きを読む

美容師さんの話

約1年半前から、代官山のとある美容院に通うようになった。

自分の担当のKさんは”黙って座ればぴったしの髪にしてくれる”と噂されているらしく、まだ20代なのに実際腕はいい。
初めてカットしてもらったときは、それまでほかのお店では10分ぐらいで終わってたのを彼女は1時間半かけて丁寧にやってくれた。
もちろん、通ううちに時間も短くなってくる。 “美容師さんの話” の続きを読む